グランド・ブダペスト・ホテル / ウェス・アンダーソン 監督



こんなに登場人物必要ないし、こんなに兄弟がいなくてもいいよな、と思ったりする。
でも、どんな脇役にも同等の愛をふりかけているのがこの監督の特徴で
今回も、当然ながらすべてのキャストが愛おしい。


かつて、ベルボーイだったゼロ。
彼はいまや大富豪にして、GBHを革命政府から買い上げたオーナーであるが
自分のホテルに泊まるときは、いつだってネズミの住処くらいのボロ部屋で眠る。
彼が作家に打ち明ける物語。


顔じゅう砂糖まみれにして "コーティザン・オウ・ショコラ" を作るアガサ。
毎朝5時に撥ね起きては、どんな意味があるのかも知れぬナマズ髭を描き足すゼロ。
ふたりのラブ・ストーリーも、泣けます。


キャラクターに合わせた専用のコンタクトを開発したのでは、というほど
目元の表現も印象的で、マチュー・アマルリックは一等怪しいし、
レア・セドゥは、スカーレット・ヨハンソンなみに物憂げだった。


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