島ノ唄 / 伊藤憲



吉増剛造のドキュメンタリー。
古川日出男さんのトークショー、朗読もよかったです。奄美の黒糖酒も振る舞われた。


おどろくべきことに、この映画は匂いすら発する。
沖永良部島の洞窟をよろめきながら探って行く後ろ姿、船の甲板からカメラを撮りまくるしなやかな手や肢体。
そんな姿には、「吉増剛造」という名から想起される荒々しさや奢りは微塵もないし、難解と言われる作品のイメージも重ならない。強いて言えば、それらは自然の荒々しさ、自然の複雑さの側にある。
おとずれた島の地図ではなく、世界地図をとりだして渚に敷いてしまうロマンチックさ。
朗読シーンでは鳥肌が立った。日出男さんいわく、
三線のほぼ予測不可能なピッキングに、異常と言えるまでに素晴らしい耳の傾け方をする吉増さん」


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