街のあかり / アキ・カウリスマキ



たぶん彼が生涯あんなにがっしり握ったのは初めてだったに違いない
手と手のラストシーンに、自然と鳥肌たってました。


コイスティネンは、カウリスマキ映画の主人公にしてはやけに美形。
と思ったけれど、あの、井戸のように底のみえない黒目がちな瞳は
ほかの主人公にも増して深々としていて、ちょっとコワいくらいだった。


ソーセージ屋のアイラはどこまでも可憐で、ゆらゆら灯火のようだった。
とはいえ、映画館でミルヤに見とれるコイスティネンのカットがいいなと思った。
どこまで誠実なんだ、この男は。


どこまでも惨めで、虚しく、愚かなのに、なぜか残酷だとは感じない。暗くもない。
やっぱり圧倒的にやさしいんだな、アキさんは。


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