No Distance Left to Run



オープンしたてのブルク13にて。人少なくて、思う所があった…。


いつのまにか、主役はコクソンくん。
そんな展開さえ、デーモンは面白く思っていないんじゃないか、と以前なら邪推していたに違いない。
でも、ちがったんだ。
恐らくデーモンのほうがずっと大人で、この映画の中じゃ、自分の語りが終わるとスルっと
まるでオセロのように自ら裏となる。画面から引っ込んで、グレアムに話を差し向ける。
「僕がわるいんだ。嫌なやつだったから…」と、グレアムはいつもの調子で、
一方デーモンは過去の述懐においても、彼をかばうんじゃない。そこがいい。


このふたりの男の関係が、はじめてしっくり解せる気になれた映画。
「僕らはケーキを一緒に食べたんだ」と、
和解の瞬間を誇らしく語るふたりを前に、美談だなんて気持ちは微塵も起こらず。


読んだことのあるエピソードが殆どなのに、内容以上の満足感。
最集結後のグラストンベリー。メンバーが会場に向かうまでのシーンが素晴しい。
グレアムは、今でも"ブリット・ポップ"という言葉が出ただけで、ほんと苦々しい顔をする。
4人とも(英国人特有だと言う)歯並びの悪さを全面に押し出し、笑う。そこもまた印象的。


http://www.blur.co.uk/