Small Craft On A Milk Sea / Brian Eno



昨年イチの、衝撃作。
匿名的で、しずかに妖しく煌めくこの音の容れ物は、
海ではデカすぎる。湖のほうが適当だと思われる。
地の下にできたホールの中に、人知れず響くシンフォニー。*1


"Flint March" "Dust Shuffle" "Emerald And Stone"
曲名に目をそそぐと、原初的なイメージに満ちている。
氷底に存するというボストーク湖の話を思い出す。


WARPからリリースされたことが、何より画期的。
エイフェックス・ツインの初期名盤*2を引っぱりだして
聴いたところ、なんだかあれが急に物足りなく感じた。


聴こえ方がグイグイ変わってくる。
額縁のむこう、窓のむこうの風景は、絶えず変化する。