シャーリーの転落人生 / 冨永昌敬 監督



おーもしろくって繰り返しみてしまった。


 選挙の終わって島さ戻って湯船ば覗いたら、柚子のごろごろ浮かんじょったがよ。
 冬でもねーのに柚子湯ば沸かすっちゃ、これ相当のもてなしなんだけれども、これ。
 (中略)
 お父っつぁんの陣営の票の根回しの仕組みら、情報ら、みんな岡島リエ喋っちもうて
 ・・・仕舞いには、欠け落ちばしちまったとに。


長々しいセリフ。
なんか、中上健次の小説読んでる気持ちになった。
ヘンテコな方言で、グイグイ引っ張られてく。
ストーリーテラーのシャーリーの嫁(遊園地再生事業団のひと)が、面白い。
妄想症な上に、なぜか物語の骨子だけはきっちり伝えているし。


シャーリー・テンプル・ジャポン part I、II』は、心底詰まらないと思ったし
亀虫』の饒舌ナレーションは、作為的すぎた。
でも今作、あの世界観のなかで、登場人物たちが過剰にナラティブならば、妙に説得力がある。


コレ、コレと常に語尾にコレをつけて喋るなぞの島民
ナンセンスなのに、それがとんでもなく執拗に反復されると、妙に愉快。
あるいは『我が輩は主婦である』あたりに通ずる愉しさがあるヨ、コレ。
『好色人生』のほうは、ダメでした・・演出が受け付けず。


http://www.koshoku-tenraku.com/