松井冬子展 世界中の子と友達になれる
はじめて見たのも横浜美術館だったが、
今回見終わったあとの感想は、その時とは別のものだった。
この静かな衝撃を書き留めておきたいと思ったけれど、
絵画を言語化せんという欲求は、作家が添えた文章*1によって軽やかに相殺される。
同時にあれが、一種やさしくガイドしてくれる。
(「ドラァグクイーンのようないでたちの尾長鶏」ってのが良かった)
音のない、音のしない世界だと思った。
グロテスクではあるけれども、ホラーではない。
血は描かれず、殺しもない。
恐いもの見たさで、また見てみたいと思うかも。
「喪の寄り道」は、構図だけみるとまったくそれ。でも、
「桜の樹の下には屍体が埋つてゐる!」*2の虚ろさとは似て非なるもの、とも思う。