モーターサイクル・ダイアリーズ / ウォルター・サレス



期待どおり、ってゆうかそれ以上の作品でした。
ポンコツノートン500は、エッて感じで途中でスクラップにされちまう。
当時の政治やイデオロギーはとりたてて描かれないし、まったく、青春。
"若くてバカい"二人の男と、必死に生かんとする庶民がいるだけ(アルベルトもいいやつ)。
あまりに美しい風景は貧乏旅の泥臭さすら包んでしまうが、そこら中に転がった、思想が思想となる以前の本質。
ウルルンみたいな扇情的なシーンはないけれど、だからこそこの映画の方がずっとリアル。
本当に悲しい別れは、からっとした空のように「チャオ、アミーゴ!」それでこそ、旅する者ぞ。