アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶



ボンとかって言ってシャッター切る真似をしたり、写真を一枚一枚紹介する当時94のブレッソン爺が可愛らしかった。
でも、そのまなざしのなかには確かに凛とした厳しさも含まれていて。
写真や映画の上でその被写体がずっと生き続けていられるのは、カメラという装置や技術のおかげではなくて。
それを媒介する者の対象に対する厳格だけど愛に満ちたまなざしあってこそなんだ、と改めて思いましたです。


ドキュメンタリーとしては限りなく常套的な文法に乗っとってるのだけど、あえて好意的にとらえるなら、
この映画は静かに、慎ましく、彼のファインダーをのぞく姿勢、位置に少しでも寄り添おうとしていたのかも知れない。
考えてみたら、ブレッソンが写真撮ってるシーンって一度も映されないんだよね。


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