タルコフスキー 2作。


人物の配置が、まさに絵画的。たまに止まってるんだか死んでるんだかわからなくなる。
宗教色濃く停滞感あふれる映画がぐんと動きだすのが狂人ドメニコの演説のシーンで、ここが一番好き。
マルクス・アウレリウスの騎馬像に乗っかって熱弁をふるった後火だるまになってく彼は、
苦悩の淵で死にかけてたアンドレイや意味不明なほどにヒステリックなエウジェニア、そして誰よりも健全な顔してた気がした。
「美しい景色など見飽きてる。結局は自己満足に過ぎない。うんざりだ。」


ナチを挟んで、ぼくの好きなネオレアリズモにも繋がってる主題なのに、やっぱり少しちがうんだな。
重苦しさ、救われなさといったら恐ろしいほど深くて、なにより一番の危険地帯に自ら突入していくイワンは、
まだたったの十二歳だったのだなあ。ここでもタルコフスキーに付きものとされる3(人)は作用してる。