ジュリアン / ハーモニー・コリン



物語がようやく推進されるラスト20分あまりをして傑作。
Ovalの音楽にのせひどく抽象化された、妊婦パールのスケートのシーンは
見返すのがためらわれるほどの酷さと儚さが入り交じった特別なシーン。
これ以降、いままでダラダラと乱発されてきたコラージュのイメージは束ねられ、
ドグマ95」なる教義が威力を発揮する。


亡き妻のドレスを息子に着せ、踊らせようとする父親(ヘルツォーク)の姿には
憐れさとか滑稽さはもちろんあれど、なぜだか圧倒的に美しい。
家族が凶事に直面してる時にガスマスクして一人舞うバックショットも目に焼き付いた。
クロエ・セヴィニーのもこもこヘアーはジュリアンに揃えてるのか。


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