ぜんぶ、フィデルのせい / ジュリー・ガヴラス



ある日革命に目ざめた両親のために、ブルジョアから活動家になる一家。
そのことが腹立たしくて仕方がない少女の映画。かなりのヒット。


序盤から、疑念にみちたカメラ目線連発。
しかめっ面なのに、全く憎たらしくない。
"キュートな仏頂面"をさせたら右に出る者はいないだろうニナ*1の演技が
とにかく素晴しいです。


ぜんぶカストロのせいと怒れるアンナは、実は彼が誰かも知らない。
チリ旅から共産主義にかぶれて帰ってきた両親も矛盾を抱えてる。
この映画はすべて優しく映し出す。
服の上からシャワーを浴びせ叱咤する母の虐待さえ、愛情表現のよう。
鏡の前で友だちと歯を磨くシーン、アンナが最後までつらぬく
ブルジョア・ファッション*2が可愛いかった。
何も考えてない弟フランソワ。あいつもいい。


「ミッキーはファシストだ 読むな」
罠にかかって自分の脚を噛み切って逃げるキツネの隠喩。


http://www.fidel.jp/index2.html