オルエットの方へ / ジャック・ロジエ 監督



ひなぎく』の2人を3人にし、ヴァカンスをプラスしたような映画。
彼女たちの過ごすヴァカンスは、誰もが夢見る豪勢な代物じゃなく
ただ海があって、そこで朝寝坊して、読書するだけ。とてもシンプル。
滞在する別荘も、どちらかと言うとあばら屋。
でも、とにかくアーハハ、キャキャ・・笑い声が絶えない。箸が転んでもおかしい。


好き勝手やって騒いでばかりの連中かと思いきや、
文句言いながらも、自分たちで掃除も後片付けもするんだね。そこが良い。
なにより、平素は立派に労働してる。


3人娘のうちの1人、ジョエルを追ってやってくるジルベールが非常にツボ。
(登場から偶然を装いきれてない上に、テントが嵐で建てられない、とか
 泣きついて来て、図々しくも別荘の庭先にテントを貼る。
 仮にも上司なのに、3人から羽交い締めにされたり、下僕同然に料理も担当。)
彼抜きには、彼女たちのヴァカンスはあそこまで充実しなかったはずだし
それは、映画を観てる観客にとっても同じ。


いきなり、ヨットの映像はスリリング。馬たちの躍動感。
きづくと、自分もヴァカンスを追体験してる。
ソフィア・コッポラあたりなら、全面に曲をまぶしちゃうに違いないオシャレ映像なのに
音楽の使い方も、非常に冷静、さらりとしてるところが逆にカッコイイ。


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