テトロ / フランシス・フォード・コッポラ 監督



ここでは、ギャロが稀にかっこ良く映ってない。
そして、稀にビックリするほど陽気だ。*1
そこが、いい。


モノクロのブエノスアイレスの、魅惑的なこと。
そして、カラーフィルムは過去シーンに用いられるんです。
息苦しくなりかけると、陽気な風が吹き込まれる。
ビバ・ラテン。


高名な指揮者である父。
実兄(やはり音楽家だが、無名)を"弟にもかかわらず"呼びつける父。
"一家に芸術家はふたり要らない"と、息子に言い放つ父。
いかれた血族の物語。


父はテトロの小説にしか登場しないが、
父の物語はテトロのそれで、そしてベニーのそれ。
数日前にテトロの付けてたギプスをベニーがしていて、同じ病室にいる。
べニーは、すごい速度で、物語を継承していく。
この反復をみれば、ラストは、ドンデン返しでも何でもなかった…。


兄弟を絶妙に仲立ちする マリベル・ベルドゥが、知的で、きれい。
iBookが出てきてもなお、時代を特定できない雰囲気なのも面白かった。


http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2010/newfilm_h.html