My Son, My Son, What Have Ye Done / ヴェルナー・ヘルツォーク 監督
ペルーに行ってから、人が変わってしまったというブラッド。
主人公の意味不明な言動が、どれをとってもツボ。
「お前たちの栄養ドリンクは飲みたくない ハーブティーも断る
イスラム教徒になる ファルークと呼べ」
シュールなギャグを交えた"定型"批判、文明批判。
一方で、なんたる稚拙なラスト!
あんな狂言に付き合わされたサンディエゴ市警も気の毒だが、
もっと気の毒なのは、クロエ・セヴィニーである。
マザコン男が発狂してもなお、愛しつづけた、ひたむきなイングリッド。
「ブラウニー焼いたの」と、ノックもせず部屋に入って来る母。
嘔吐物みたいなゼリーを大量につくって息子とその婚約者を歓待する母。
グレイス・ザブリスキーの静止による顔芸が、コワイ。
母は息子に剣でひと突きにされるとき、いわば恍惚としてそう呟いたと言う。
「息子よ、なんじは何をしたか」
フラミンゴとフラミンゴグッズに溢れた家が、奇妙でかわいい。
DVD化してください。