苦しいよ チクチクするんだ。

奥原浩志監督 3作。


  • タイムレス メロディ(2000)

画が洋画気どりながら、キャストは皆無骨で気どり皆無なところが良いと思った。
しかも彼らはしばしば、後ろ姿とか、影としてしか映っていないし。
交差しそうでしない、独特の距離感が終始しずかに描き込まれてく。
ただ、あまりにしずかなので微睡んでしまった。
大事な人が大変なことになっているというのに放たれる、チカコの
「ごめん、行けない。忙しいの」という言葉、とても潔く感じた。
色彩がいい!と思ったらカメラは福本淳さん。

  • 波(2001)

『タイムレス』よりも後退してる気が、した。
単純にキャストに魅力ないからかも知れないけれど、
「蛇の面」の男にも、話の展開にもあまり興味もてなかった。
サンガツの音楽が鳴るきっかけも、ちょっと疑問。
ラスト、現金輸送車の下に、見覚えのある足が…。

サングラスで顔を覆ってるときのリチオの演技が光ってた。
彼の勤めるレコード屋、見覚えあるとおもったらライナス・レコード。
オーナーが田口ランディというのが終始笑えた。
人を殺したり傷つけたりする話かと思ったらリチオのナイフは
自分の右目と腕に向かってて、それらのシーンが痛々しかった。