GUMMO / Harmony Korine



ガス・ヴァン・サントが推すのもうなずける、刺激と眠気満載な、あるアメリカのスケッチ。
「タムラーは千里眼をもってる。伝説にふさわしい何かあるヤツだ」とか、
続々登場する(だけの)人々の紹介の仕方が面白い。
誰が見たって分かるのに、やけに誇らしげに「彼らは兄弟だ」「双生児だ」と
カッコつけるソロモン。彼の年齢不詳さがいささか奇妙。言わばオトナコドモ。
たぶんハタチくらいの設定のクロエ・セヴィニーも、まるで50代。


おそらく孤児の「ウサギ少年」のシーンをもっと見たかった。
殊にオープニングと、トイレの便器でアコーディン弾くシーンがすばらしい。
でもそのカッコよさに気をとられ、そこで描かれる本質を見落としかかった。
それを考えると、繰り返される猫への残虐な行為の後ろで流れるヘビメタは余計。