ジェリー・フィッシュ / エドガー・ケレット&シーラ・ゲフィン



イスラエルの映画ということすら知らず、何の予備知識もなく観に行った。
しかし、それがよかった。
今までに味わったことのない、不思議で、どこまでも瑞々しい作品でした。


うそっぽい水族館のようなバック。この離別のプロローグからして挑戦的。
見ず知らずの登場人物たちのストーリーが同時進行しながら、
実は同じテルアビブ市の下で秘めやかに関わり合っているという構成も素敵だ。


捜索届けの紙を折ってこさえた船をフーッと吹く刑事。
写真の船に落書きし、瓶のなかに閉じ込め物思いに耽る骨折新婦。
海から出没した少女がけたたましく上げる鬼のような叫び声。
入れ違い、ふたりの女性によって完成される詩。
色褪せた写真に映ったアイス売りのおじさん…。
驚嘆したシーンは数知れないが、悔しいくらい狙ってる感じがしなくて
あらゆる演出が自由。


フィリピン人ヘルパーと女優の母が抱擁し、違う理由で浮かべた涙と涙を
混ぜ合うシーンにはジンと来た。
幾多のエピソードが詰め込まれていながら、テーマはきっとシンプルだ。
バティア役は「アワー・ミュージック」のオルガでした。


「何か起こるのは嫌い」
「浜辺なんて犬のフンとクラゲばっかだろ クラゲ食べるだろ」


http://www.jellyfish-movie.com/
http://www.varietyjapan.com/interview/u3eqp30000024bnj.html