クリーン / オリヴィエ・アサイヤス 監督



エミリー=マギー・チャンに対して、否定的な感情ばかり浮かんだのは、
そのいけ好かない態度(自尊心のかたまりのような彼女)のせいばかりではない。
なんのことはない、原因は、髪型にあったみたい。


パリ、最も重要なシーンで、いきなり被り出したオレンジのニット帽。
この帽子が、冒頭から堆積しつづけた嫌悪感を、一気に緩和してくれた。


再会した息子とのやりとりに、長い時間とドラマを費やすのでなく
あんな速度で描いてしまう潔さ!
義娘の背中を押すじいちゃん(ニック・ノルティ)も、いい味だしてた。


「きれいな娘ね…寝たの?」「ノン、フラれたわ」
「まだ好き?」「おとといも尾けたわ」
「彼女は?」「気づいてたけど無視」
「新しい恋人と一緒よ…美人というより母性的。私と正反対」
「バカなことをしたの…うちにサンドリーヌを呼んで、浴室に閉じ込めてから出かけた」


http://www.outsideintokyo.jp/j/review/olivierassayas/index3.html